My Filter a les co les Photographies 『主観・あれこれ写真三昧』ドキュメンタリー フォト エッセイ

久方ぶりに生月、平戸を訪ねて(4)春日集落

 
初めて訪れたここは、平戸島の西北域に位置する「春日集落」。
世界文化遺産に認定された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン
関連遺産」の中のひとつ。

この地一帯、生月島、平戸島西域は、一斉改宗された信徒の多
くが弾圧から逃れる為潜伏した。

「隠れキリシタン」と称されるように、文字通り「隠れ」て、
あるいは「偽装」して、「オラショ」や「納戸神」そして
「マリア観音」等々工夫しながら潜伏してきた。


この地「春日集落」は地理的に、安満岳から伸びる二つの尾根
に挟まれた長さ1キロほどの谷に位置していて、県道19号線
が開通する迄は背後の安満岳中腹まで登って外へ抜けるか、あ
るいは船で生月島方面へ行くのか、のいずれしか外界との方策
は無かった。

今でこそ車でアップダウンしながらもすぐに到着するが・・・
まさしく外界を断ち、目立たずひっそりと「潜伏」するには相
応しい地だったのだろう。


だから、ず〜っと昔のまんまの地理的景観が残っており、彼等
が何を信仰の「よすが」としてきたのかが偲ばれるのだとか。

それは、土着の信仰、神道、仏教、自然崇拝等と混合しながら
独自の形を作り信仰し続け、その姿は集落全体を見渡せる小高
い山「丸尾山」に残る「石祠」等にもその名残りが見られる。
この集落に潜伏してきた信徒達は、解禁後もカトリック教には
復帰せず、教会という施設は無い。


この丸尾山からはキリシタン墓地が発掘されている。その頂上
は1坪程の狭さで、そこに在る石祠にはお水やお賽銭が供えら
れていた。暑い中を軟弱年寄りにはきつかった登り道、ひと息
ついて頂上から見渡してみると、なんとそこからは集落の姿全
体を見ることができ、緑いっぱいの棚田が眩しかった。

そんな頂上に在る「石祠」は、やはり今も尚、昔と変わらずに
集落の立派な棚田を見守っているのだろうなあ、と感じられた。




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by photoartplan | 2019-08-07 13:47 | 教会群撮影紀行 | Comments(0)