My Filter a les co les Photographies 『主観・あれこれ写真三昧』ドキュメンタリー フォト エッセイ

写真集 ご披露 3


データがモノクロだと、それを紙作品として仕上げるには色々と苦労する。
しかもそれが写真集となると更に検討課題が増えてくる。

・まずは色転びをしない純黒調が出せること
 (カラーだと忠実に出せなくてもある程度ごまかしがきくのだが・・・)

・適切なペーパーの選択
 (退色性、対擦性、両面印刷、地色、厚み、コスト・・・)


検討に検討を重ね、テスト印刷も経た上で最終的に選択したのは以下の通り。

・高品位レーザープリント
(いわゆる写真印画紙へのレーザー現像焼き付けではなく、
オフィス用高品位カラーレーザープリンターによるプリント)

・グラビア印刷ペーパー的な、半光沢性両面印刷ペーパー
(インクジェット用に比べるとはるかに安価)

この組み合わせによる選択はベストチョイスだったかもしれない。
レーザープリンターでのチャレンジが予想以上に良い結果を出してくれた。
掲載の現物写真をご覧いただけば解る通り、
非常に印刷品質は満足できる。

(手前味噌だけど、若干「洋書」的な仕上がりにもなった。
実際に、そう見間違えたアート作家さんもいらっしゃった。)


そもそも銀塩写真は粒子が生命だ(変な表現だけど)。

(例えば粒子が現像フィルムに乗っていれば、
たとえディープシャドウ域でもハイライト域でも
印画紙で立派に階調が表現できる。)

印画紙に焼いたモノクロ作品では
特にこの粒状感が写真の「現実感」や「立体感」「力強さ」につながる、
と私は感じている。

このへんがどうもデジタルでは物足りない、
リアリティーが出てこない。
きれい過ぎて「絵空事」のような・・・
非常に不満な点だ。

だから私はプリントするデジタルデータには
Photoshop(プロ定番の画像レタッチソフト)上で、
(銀塩粒状感的なものへアレンジした)
ノイズを乗っけてプリンターで出力している。

ところがこのレーザープリンターによる出力は、
わざわざノイズを乗っける必要も無く、
そのまま出しても非常にいいバランスで粒状感が出てきた。
こんなことは予想もしてなかったことだ。
しかし考えてみると当然のことだ。

レーザープリンターはインクのトナーを加熱と加圧処理により紙の上に定着させる。
だからトナーの物理的大きさが粒状感に直結してくる。
この高品位レーザープリンター(1200dpi)のトナーがちょうど程良い大きさで、
結果として銀塩粒状感に似たものを感じさせてくれた。
従って、リアリティーの有る力強いモノクロ作品ができた。

しかも、インクジェットのようにカラーインクによるモノクロ印刷ではなく、
ブラックトナーだけによる印刷の為、
全く色転びなど無い純黒調(?)が実現できる。
しかも紙を選ばない。


などなど、予想を超えた結果を得られた。
というわけで試行錯誤する中で、
全部手作り、家内製作したものが以下の通り。
最後に製本に持ち込んだのは、
お気に入りのKinko's、2006.06製作。


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写真集 [Sous Le Ciel de Paris] 
A4Q(210x210mm) 100ページ くるみ製本 
レーザープリンターによる出力
表紙にはコーティングフィルムを自前で貼っている



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[Sous Le Ciel de Paris Index ver.] 
A3 40ページ 中綴じ製本 
レーザープリンターによる出力
パリモノクロ作品のサムネール・インデックス版として製作
by photoartplan | 2008-02-17 19:02 | 写真集 | Comments(0)